はじめに
訪日外国人観光客の数が急速に回復し、2024年には新型コロナ前を超える勢いで伸びています。こうした状況のなかで、飲食店や体験事業にとって「外国人観光客をどう集客するか」は大きなテーマです。その答えのひとつが OTA(Online Travel Agency/オンライン旅行代理店) の活用です。
本記事では、OTAマーケティングの基本から、飲食店や体験事業が取り組むべき成功のポイントを詳しく解説します。
OTAとは?
OTAとは、オンラインで宿泊施設やアクティビティ、飲食体験などを予約できる旅行代理店のことです。代表的なプラットフォームには以下があります。
- Viator(Tripadvisor傘下):世界最大級のアクティビティ予約サイト
- GetYourGuide:ヨーロッパ発祥、アクティビティに強いOTA
- Klook:アジアを中心に急成長、若い旅行者に人気
- Airbnb Experience:宿泊者だけでなく、現地体験を探す旅行者にも広く利用される
OTAを利用することで、世界中の旅行者に自分のサービスを知ってもらい、予約に直結させることが可能です。
OTAを活用するメリット
1. 世界中からの予約導線ができる
外国人観光客の多くは旅行前にOTAをチェックします。OTAに掲載することで、自分の飲食店や体験事業を「日本に来る前から」知ってもらえます。
2. 信頼性が高い
TripadvisorやGetYourGuideは世界的に認知度が高く、旅行者にとって安心感があります。小さな事業者であっても、OTAに掲載されていれば信頼性が高まり、予約につながりやすくなります。
3. 多言語・決済対応が整っている
OTAは英語や中国語など多言語対応済み。クレジットカード決済もスムーズで、事業者が複雑な対応をする必要がありません。
OTAを活用するデメリットと注意点
1. 手数料が高い
OTAの手数料は15〜30%程度が一般的です。利益率を意識した価格設定が必要です。
2. 競合が多い
特に東京や京都などの人気エリアでは同じような体験が数多く掲載されます。写真やレビューで差別化する工夫が欠かせません。
3. コントロールが難しい
OTAのアルゴリズムや表示順位は運営側に依存するため、常に最適化が必要です。掲載して終わりではなく、定期的な改善が重要です。
OTAマーケティング成功のポイント
① 写真で魅力を伝える
旅行者は写真で予約を決めると言っても過言ではありません。
- 高画質の写真を掲載する
- 体験中の楽しそうな雰囲気を写す
- 食事なら料理のアップ写真+提供シーンを組み合わせる
② わかりやすい英語説明文
単に翻訳するのではなく、「旅行者目線」で書くことが大切です。
- “Enjoy authentic sushi making in Tokyo” のようにシンプルで明快に
- 所要時間、含まれるもの、集合場所を明確に
③ レビューを集める
OTAで最も重要なのはレビューです。体験後に「レビューを書いていただけると嬉しいです」と声をかけるだけで数が増えます。レビューが増えると表示順位が上がり、さらに予約が増える好循環が生まれます。
④ 価格設定の工夫
- 適正価格を維持する(安すぎても信頼感を失う)
- グループ向け・プライベート向けなど複数プランを用意
⑤ 継続的な運用
OTAは「登録して終わり」ではなく、「継続的な改善」が成功のカギです。
- 季節に合わせた写真差し替え
- 新しい体験プランの追加
- 定期的な説明文・価格の見直し
自社サイトやSNSとの連携
OTAは集客の入口として非常に強力ですが、手数料がかかるため「OTAだけ」に依存するのは危険です。理想は以下のバランスです。
- OTA:新規顧客を獲得する入口(25%)
- 自社サイト:SEOやSNSからの直販(50%)
- 旅行代理店・法人案件:安定収益(25%)
OTAで集めたお客様を、自社SNSや公式サイトへ誘導し、リピーターや紹介につなげるのが効果的です。
まとめ
OTAマーケティングは、飲食店や体験事業が外国人観光客を集客するために欠かせない手法です。OTAは「世界中への窓口」であり、正しく活用すれば売上アップに直結します。ただし、手数料や競合の多さといった課題もあるため、継続的な運用と自社サイトとの組み合わせが成功のカギとなります。
OTAをうまく活用すれば、外国人観光客を安定的に集客できます。しかし、「どう掲載すればよいか分からない」「運用に手が回らない」という声も多く聞きます。
合同会社Symbiでは、実店舗の運営経験を活かしたOTAコンサルティングを提供しています。
Viator・GetYourGuide・Klookなど主要OTAの掲載最適化から、自社サイト・SNSとの連携まで幅広くサポート可能です。
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